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「西洋音楽史」 岡田暁生著

このそっけない題名にもかかわらず、か~なり面白かったです。


筆者は常にその時代、その場所で音楽はどんな意味を持っていたかということを問います。今現在のわたしたちの感じ方といかに違ったか、またなぜそうだったのかということが、時代背景を含めて分かりやすく説明されます。


印象に残ってるのはバロック音楽の時代のとらえにくさ。イタリア、フランスで主流にあった「王の祝典のための音楽」と、バッハを代表する教会を中心とした「神への捧げ物である音楽」という、まったく違う潮流が同じ時代にあったことなど、個々の作曲家にばかり目の行きがちな私には、すごく新鮮でした。


「王の祝典のための音楽」といえば、この本にも紹介されてる「王は踊る」という映画を見たことがあります。
ルイ14世のための音楽に生涯を捧げたリュリが主人公でした。ルイ14世といえば、ベルサイユ宮殿を建てたひと。
王自身がバレエの主人公を務めたり、とにかく贅をつくした宮廷生活が印象的でした。でも、一番覚えてるのは、王が愛人とベッドインするときに、テントの影で見守るリュリが楽団を指揮して音楽を流すところ。あ~、ステレオないものね~と思ったけど、ぷっと笑ってしまいました。


「まじめなクラシック」のイメージが、19世紀のドイツ語圏で形成されたという説もかなりツボでした。パリやイタリアを中心とした華やかな音楽から見たら田舎くさいドイツ音楽が「ふん、なにさ、そんなチャラチャラした音楽。音楽とはもっと深く、内面性を表すもので、崇高なものなのだ~」とがんばってる内に、国同士の力関係の変遷も影響して、主流になっていったという話です。(かなり私流に縮めたかも)


あと、産業革命や科学発明、資本家の時代に、神や目に見えないものが消えていき殺伐と無味乾燥な世の中になっていったからこそ生まれたのがロマン派の音楽だったという話もけっこう頷けました。


筆者は19世紀の音楽史が専門なんだそうですが、作曲家を説明する口調で好みがなんとなく分かるのも面白かったです。ははぁ~ん、マーラーが好きなのね、とか。


「まえがき」と「あとがき」に書いている、筆者がこころがけたというポイントのひとつに、語り手の存在を中途半端に隠さないこととあります。筆者は、多くの音楽史が「正しいこと」を「客観的」に語ろうとするあまりストーリーの推進力を失っているように思えると指摘したうえで、この本は「ごく一般的な読者」に「歴史」を主眼にした大きな流れを感じてもらうことを狙いとしていると記しています。


「まえがき」で、ふ~ん、そうなんだと思い、本文を読んだ後、「あとがき」で、なるほどね~と思わせる、このサンドイッチ効果(?)。


細かなデータの積み重ねの上に総まとめがあるわけですが、そのまとめる人物の視点やキャラクターがはっきりしているほど、こういう本は面白くなるのかなと思いました。



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  1. 2007-10-18(Thu) 21:56:00|
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